デジタル証券の必要性

未公開企業や私募証券の所有権を売買するプロセスは、公開企業や公募証券に比べて、常に時間がかかり、難解で、コストがかかります。

絶え間なく行われる紙のフォームへの記入や、フェデックスでの郵送やメダリオン署名保証スタンプの取得などのやむを得ない作業により、すべてのフォームが正しく記入されており、誰かが間違った場所に署名していないことなどを前提としても、このプロセスには多くの場合、完了するまでに数週間かかります。

実際、このプロセスに伴う負担が、所有者が資産の相対的価値を十分に活用できずに、私募証券が何年も放置されてしまう主な理由となっています。世界の私募証券市場は年間7兆ドル規模のビジネスと推定されており、かなりの額の価値が塩漬けになっていることになります。

私募証券の世界では、今のところ、これらの難解な手続きがデファクトスタンダードであり続けていますが、一方で、私たちの日常生活のほぼすべての面で、デジタル処理が時代遅れのものに取って代わられています。そして、すべての場合において、それらはより良く、より速く、より費用対効果の高いものとなっています。

例えば、最新情報を得るために新聞を買ったり、Eメールで十分な場面で手紙を送ったりすることはもうありません。レンタルショップからビデオテープを借りることもないし、物理的なメディアの熱心なコレクターでない限り、音楽コレクションのためにテープやレコード盤を購入することもないでしょう。

これらのケースや、他の何千ものケースで、私たちは急速にデジタルでの代替ソリューションを受け入れ、その結果、私たちはそれぞれのメディアをより効率的に利用し、また新しい利用方法を発見してきました。

同じことが、私募証券にも言えるのではないでしょうか。

これまで、私募証券の移転に伴う規制に準拠し、また証券の取り扱いに要求される安全性、正確性等を満たした、効率的なデジタル証券を実現することは不可能でした。

しかし、安全で正確性を保証可能なブロックチェーン技術が発明されたことで、ほとんどすべての資産をデジタル化することが可能になりました。

証券がデジタル化されると、これらのデジタル証券は、所有や管理が簡単になり、取引が格段に速くなり、同時にセキュリティが全体的に向上します。実際、デジタル証券における所有権移転は、従来の方法で発生するコストよりも格段に安価に、しかも数分で実行することができます。

言い換えれば、1990年代に企業が社内のメモや郵便物の代わりに電子メールを使い始めたときに経験した効率性の向上に相当します。

しかし今回は、その意味合いが大きいだけでなく、はるかにエキサイティングなものになっています。

実際のところ、デジタル証券は、インターネットの登場以来見たこともないような方法で資本市場を変革する扉を開いています。

デジタル証券は、市場機会をより的確に捉え、より収益性の高い金融商品の創造への道を開き、より効率的な資本形成を推進することを可能にします。

そして、メールやインターネットが新しいサービスや機会を生み出すために進化したのと同じように、これは新しい価値の表現方法の始まりに過ぎません。

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